医療情報デザインに“哲学”を込めて
2025.5.11 - メディア掲載
少し前になりますが、日本商工会議所発行のビジネス情報誌『石垣』の「元気が出る中小企業経営」という連載に、弊社の取り組みが掲載されました。
医療という専門性の高い領域において、「伝わる情報」をどのように設計し、視覚化してきたか──その原点を語っています。
■ 創業の原点:期待を「良い意味で」裏切る
創業当初から私たちが大切にしてきたのは、「目の前の一つひとつの仕事へ誠心誠意向き合い、先方の期待値を”良い意味で”裏切る」というポリシーです。同業者がやりたがらない手間のかかる仕事でも積極的に引き受け、クライアントの先にいるエンドユーザーの視点に立った提案を心がけてきました。
■ 医療に特化したデザインで気をつけるポイント
医療情報といっても、「誰に向けて、どのように伝えるか」によって、トーン&マナーはまったく異なります。たとえば、患者さん向けと医療従事者向けでは、専門用語の扱い方、情報の深さ、表現の自由度に大きな違いがあります。
私たちはまず、制作に入る前に「伝える相手の理解レベル」と「情報を通じて何を促したいのか」を明確にします。その上で、以下のような視点で構成を設計します。
患者さん向けの情報設計では
- 専門用語は極力避け、一般的な言葉で“翻訳”する。
- 図やイラストを多用し、直感的に理解できるレイアウトに。
- 「安心感」「共感」「支援的な語り口」を重視する。
- 薬機法に抵触しないよう、表現に細心の注意を払う。
- 疾患への不安を和らげ、前向きな行動につながるような情報設計。
医療従事者向けの情報設計では
- エビデンスに基づいた情報を、簡潔かつ論理的に整理する。
- 図表やチャートを使って、データの把握をスムーズにする。
- 製品やサービスの差別化ポイントを過去の実績と照らして伝える。
- トーンは“冷静で中立的”、最新データを正確に伝える。
また、いずれのターゲットに向ける場合でも、「薬機法などの法的観点」に常に配慮しています。私たちは常にクライアントと共に表現の適正を精査し、必要があれば監修の専門家と連携して制作を進めます。
このように、単に「きれいなデザイン」ではなく、「誰に、どんな行動を促すために、どんな情報設計が最適か」を、受け手の立場から設計・編集・視覚化していくことが、私たちが医療に特化したパートナーとして大切にしている姿勢です。
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